危機とカタルシス
今岡昌子

福島原発事故やコロナ感染拡大は、紛争や災害による被害、環境問題とともにショッキングで、自身の脳裏にてそれらの問題が相補的に絡み合いました。写真制作にあたって少し時間をかけ丁寧に解釈しイメージ喚起することを意識しました。授かった生命は稀有な確率にて存在するはずですが、日常にかき消され忘れられる側面があります。社会崩壊因子のひとつが人であるならば、地球のエコシステムにより人が浄化される危機にあるともいえるでしょう。地球上に授かった生命を連帯的に守るというのは理想論に過ぎないことなのでしょうか。







今岡昌子(いまおか まさこ)
1965年神奈川県に生まれる。社会の崩壊を思考し生命の光を探り、「再生」を主テーマに制作活動を行う。2001年コニカプラザ(東京)他にて写真展「re・birth~ガレキの隣のオンナたち」開催。2004年東京都写真美術館にて「明日のために―日本のドキュメンタリー写真家」参加。個展「トポフィリア―九州力の原像へ」を2012年銀座ニコンサロン(東京、大阪) 、2013年ギャラリーおいし(福岡)などで開催。2014年福岡県立美術館にて「シグナルトランスダクション」を、2014年ギャラリーおいし(福岡)、2016年LADSギャラリー(大阪)で個展「そしてトポフィリア」を、2019年「原始心像(原像)」、2021年「微粒子とカタルシス」をLADSギャラリー(大阪)で開催。2002年第2回さがみはら写真新人奨励賞、2007年第23回東川賞新人賞受賞。現在は大阪在住。